民泊運営に資格は不要だけど、法律・経営・広告…と必要知識は膨大!

民泊運営に必要な知識

民泊運営が可能な物件をゲットして、簡易宿所の認可を受ければ誰もがオーナーになれる…。
民泊経営はいたってシンプルなビジネスモデルといえます。
しかし、開業後の安定した運営には、あらゆるジャンルの知識量が求められます。
短期的な収益においては広告・マーケティングといった分野、長期的に安定させるには法律・制度に関する知識を得る必要があります。
実際の作業は代行業者に依頼するのも一手ですが、よりよい経営判断を下すためのノウハウは常日頃勉強しておきたいものです。

民泊関連のトラブル発生率は残念ながら高水準。あらゆる防止策を講じて安定的な運営を!

実際にあったトラブル事例

本来、民泊運営は楽しくてやり甲斐のあるビジネスです。
しかし、残念ながらトラブルの発生率は現時点できわめて高いと言わざるを得ません。
トラブルパターンは主に
  1. ホスト✕ゲスト
  2. ゲスト✕近隣住民
  3. ホスト✕近隣住民(主に違法、違反行為)
の3パターンです。
いずれのトラブルも「文化の異なる外国人客が原因」という解釈は好ましくありません。
これは大前提の話であり、こちらのマナー&ルールをきちんと伝える、伝わらない場合は宿泊をお断りするといったトラブル防止策を立てるのもホストの任務だと私は考えます。

民泊経営に関する法律の知識は必須。現時点とこれからの法律、規制の動向は?

民泊に関する法律

民泊ビジネスは気軽に参入できるぶん、まだ法律関連の整備が追いついていません。
ハッキリ申し上げますと「現行の法律・条例に触れている業者が多いのではないか?」といった議論がなされているのが現状です。
その代表的なものが
  1. 旅館業法
  2. 建築基準法
の2点。
1に関しては「規制はいずれ緩和される」というのが大方の推測ですが、現行の法を順守しない理由は到底なりません。
逆に、このようなトラブルが多発し続ければ、業者を締め付ける新たな制度が施行される可能性も。
お小遣い稼ぎの副業で始められる方も多いと思いますが、社会人としての意識をしっかりと保持することが、安定的な運営には欠かせません。

稼働率を一時的に高めるのは意外と簡単。難しいのは長期的に安定させることで…

稼働率が高い部屋と低い部屋の違い

高稼働率をキープするホストに共通するのは、計画性を重視している点です。
稼働率を高めるだけなら宿泊料金を下さげるだけですぐに実現できるでしょう。
しかし、長期的にキープできるかは疑問です。
単価が下がると、その他に投入すべきコストも出し惜むようになり、ゆくゆくは管理が疎かになり…。
このように「運営に疲れる」ホストを何人も見てきました。
そもそも、運営後に稼働率を高めたい…と焦る状況は好ましくありません。
稼働率の変動を事前に予測し、下火傾向になったタイミングで次の繁忙期の準備をこなすといったスタイルが理想的です。
稼働率の想定に大幅なズレがあるようなら読みが甘いと言わざるを得ません。
稼働率が下がればその場凌ぎの策に目が行きがちですが、長期的な視野で改善策を計画することが肝心です。

Airbnbにおいて返答率は運営側にとって重要項目。予約率へダイレクトに直結するだけに無視できない!

返答率と返答時間について

民泊ホストの多くが仲介サイトであるAirbnbを利用しています。
価格設定などのインフォメーション情報と、写真やコピーといった掲載内容が重視されがちですが、「返答率」「返答時間」も忘れてはなりません。
これが意味するのは、ゲストからの問い合わせへの対応の質です。
もちろん、数字がわるいとホストへの印象に繋がります。
近隣にライバルがいるのなら、その傾向は顕著に現れるので要注意です。

民泊は、他の宿泊施設に比べてトラブルは多め。適切、冷静、スムースに対応するためのコツとは?

設備損傷、紛失の際の請求方法

スタッフが常駐しているホテル・旅館に比べると、民泊はどうしてもトラブルが多くなる傾向があります。
その筆頭が設備の破損、損傷、紛失といった類の事故です。文化の異なる外国人訪日客の利用がほとんどですから仕方ない面もありますが、やはり密室空間独特の雰囲気から気が大きくなり、物などを壊してしまう事件も起きています。
事故が起きてからアタフタしてチェックアウトを迎えてしまうと、宿泊客とのやり取りはしづらく、またはできなくなります。
ある程度は想定内と捉え、対応方法の選択肢を考察してみましょう。

マス広告に匹敵するほど口コミの影響力は絶大。ファンの拡大に繋がる口コミと、依頼の仕方は…?

稼働率の生命線?レビューのお願い

ネットが発達とともに影響力を増しているのが「口コミ」です。
特に、飲食店やネットショッピングのアイテムといったエンドユーザーが利用する施設・商品は顕著であり、民泊もその例に当てはまります。
仲介サイト、airbnbにもレビュー欄があり、多くの宿泊客が参考にしているに違いありません。
一方、ゲストのページにもホストからのレビューがあって閲覧することができます。
もうおわかりかと思いますが、まずは「ゲストに対して適切な文章でレビューを書くこと」が、よいレビューを貰うための大切なカギとなります。…と言い切ると下心のように感じられるかもしれませんが、ある種のしたたかさも持ち合わせないと、ライバルが増える今後を生き抜くには苦戦を強いられるに違いありません。

民泊運営は今がチャンスではあるのは事実。ただし、ノープランのまま手を広げるのはあまりにも…

失敗しない運営数拡大するタイミング

現在、ノリの乗っている民泊業界ですが、廃業されるホストが意外と多く感じます。
話を聞いてみると、理由のほとんどが計画の甘さです。
近隣住民との摩擦もそうですが、安易に部屋数を増やしてしまったことが決め手となったという話も。
部屋数を増やすと、それに比例して忙しくなる…という見込みは甘すぎます。
1件当たりの物件への管理が浅くなると、その他への管理も甘くなり。
徐々に手が、首が回らなくなる…。
運営に一回でも躓くと、それを修復するための労力と時間を費やす必要があります。
そのあたりの見通しをしっかりと付けることが、運営を拡大するための条件となります。

知識を得たから安心するのは禁物です。
ライバルが増加すると考えられる今後は、よりよい運営を実現するために「知識を更新する」作業も求められます。
力強く生き抜くには、ノウハウへの貪欲さが欠かせません。